ここからは法律とは別に、経営者として考えておきたいことがあります。
それは、キャンセル料があることで、利用者さんが予約そのものをためらってしまう可能性です。
介護タクシーを利用される方の中には、体調が不安定な方も少なくありません。
今日元気でも、明日は体調を崩してしまうかもしれない。
予定していた通院が、急に難しくなることもあります。
これは利用者さんの都合というより、介護タクシーという仕事の特性でもあります。
例えば、ご家族がこんなふうに考えたらどうでしょうか。
「来週の病院の予約を入れておきたい。でも、当日体調が悪くなったらキャンセル料がかかるんですよね……」
そうなると、早めに予約すること自体がリスクになってしまいます。
事業者としては、早く予約をいただいた方が配車計画を立てやすい。
ところが、キャンセル料の存在が、利用者さんの早期予約をためらわせてしまう。
これは経営上、考えておきたい問題です。
もちろん、キャンセルが発生すれば事業者にも損失があります。
車両もドライバーも確保していますし、ほかの予約をお断りしている場合もあります。
だからこそ、簡単に正解を出せる問題ではありません。
私は、体調不良によるキャンセルは一定数発生するものとして、最初から事業運営に織り込んでおくという考え方も大切だと思っています。
キャンセルによる損失を、その都度利用者さんに負担していただくのか。
それとも、一定のキャンセルを見込んだ上で、事業全体の収益構造を考えるのか。
もちろん、無断キャンセルや直前の一方的な変更まで、すべて同じように扱う必要はありません。
大切なのは、キャンセル料を請求できるかどうかだけではなく、安心して予約していただける仕組みをどう作るかということです。
皆さんの事業所では、どのように考えていますか?
事業者の経営を守ることと、利用者さんの予約しやすさ。
この二つをどう両立させるか、ぜひ意見を聞いてみたいと思います。

