車の臭いが劇的に減った。20年以上仕事で車を使って分かった本当に使える消臭方法

車のドアを開けた瞬間、「なんとなく臭うな」と感じたことはないでしょうか。タバコを吸っているわけでもなく、食べ物を放置しているわけでもない。掃除もそれなりにしている。それなのに、なぜか車の中には独特の臭いが残っていることがあります。

そんなとき、まず思いつくのが芳香剤や消臭剤だと思います。私もこれまでいろいろな商品を試してきました。ところが、芳香剤を置いた直後はいい匂いになっても、しばらくすると元の臭いと芳香剤の香りが混ざって、なんとも言えない新しい香りが完成することがあります(笑)。

私は2004年から20年以上、介護タクシーの仕事をしています。仕事柄、毎日のようにお客様を車に乗せるため、車内の臭いや汚れには一般の自家用車以上に気を使ってきました。煙タイプの消臭剤、エアコン洗浄スプレー、アルコールティッシュ、シリコンオフ、そしてかなり大掛かりなものではオゾン発生器まで、実際にいろいろな方法を試しています。

その中で分かってきたのは、車の臭いは「強い消臭剤を使えば全部解決する」というほど単純ではないということです。むしろ大切なのは、臭いをごまかすことではなく、「どこから臭っているのか」を探して、その原因を一つずつ取り除いていくことでした。

今回は、20年以上仕事で車を使ってきた私が、実際に試して効果を感じている方法を紹介します。ただし、車種や内装素材、使用する製品によって結果は異なります。特にシリコンオフやオゾン発生器については注意が必要です。すべての車に同じ方法をおすすめするものではなく、あくまで私自身の経験として読んでいただければと思います。

臭いを消す前に、まず「汚れ」を落とす

車の臭いが気になると、つい「何を使えば消臭できるだろう」と考えてしまいます。しかし、長く車を使ってきて思うのは、消臭剤を使う前に臭いの原因になっている汚れを取ることのほうが大切だということです。

考えてみれば当たり前なのですが、臭いの原因になる汚れが残ったまま、その上から別の香りを加えても根本的な解決にはなりません。特に車内には、ハンドル、ドアハンドル、シフト周辺、各種スイッチ、アームレスト、シートベルトの金具など、人の手が何度も触れる場所があります。毎日少しずつ汚れていくため気づきにくいのですが、皮脂や手垢は意外と蓄積しています。

そこで普段の清掃で私がよく使っているのがアルコールティッシュです。特に手垢を取るときには便利で、ドア周辺やハンドル周辺などを拭いてみると、「こんなに汚れていたのか」と思うことがあります。大掃除のときだけ徹底的にきれいにするより、気づいたときにサッと拭いておくほうが、仕事で毎日使う車には向いていると感じています。

もちろんアルコールも万能ではありません。樹脂、革、合皮、コーティングされた部分など、素材によっては変色や劣化につながる可能性があります。使用する製品の注意事項を確認し、心配な場合には目立たない場所で試してから使うほうが安心です。

シリコンオフはかなり使える。ただし私は自己責任で使っています

車内清掃で私が実際に使っていて、かなり効果を感じているものの一つがシリコンオフです。本来は塗装や接着などの前に油分やシリコンなどを除去するために使われるものですが、私は自己責任で車の内装にも使用することがあります。

特に効果を感じているのがシートの臭いです。普通に拭いただけでは残っていたシートの臭いが、シリコンオフを使って清掃するとかなり落ちることがあります。これは仕事の車を清掃してきた中で、私自身が実感していることです。

もう一つ、個人的にかなり気に入っている使い方が内側の窓ガラスです。車の窓というと外側の汚れに目が行きますが、実は内側にも手垢や油分のような汚れが付着しています。何度拭いてもなんとなく曇って見えたり、夜に対向車のライトを受けると汚れが目立ったりすることがあります。そんな内窓をシリコンオフで清掃すると、かなりスッキリきれいになります。

ただし、ここはこの記事の中でも特に注意してほしいところです。私は内装にも使っていますが、「車内清掃にはシリコンオフがおすすめです」と誰にでも勧めているわけではありません。

実際、私自身も内装に使用して、拭いたところが白っぽくなった経験があります。車の内装にはさまざまな素材が使われていますし、シリコンオフにもいろいろな製品があります。そのため、ある車では問題なくても、別の車では素材を傷める可能性があります。使用できる素材や使用方法、換気、火気への注意など、製品の表示を確認することが必要です。

私の場合は効果を感じているので使っていますが、あくまで自己責任です。もし試すのであれば、いきなり目立つ場所を拭くのではなく、まず目立たない場所で確認したほうがいいと思います。効果があったことだけでなく、「白くなったこともある」という失敗も含めてお伝えしておきます。

エアコンをつけたときだけ臭うなら、疑う場所を変える

車内を掃除してシートもきれいにした。それなのに、エアコンをつけた瞬間に嫌な臭いがすることがあります。この場合は、当然ですがシートを一生懸命掃除してもなかなか解決しません。臭いの発生源がエアコン側にある可能性があるからです。

私もエアコンの臭いが気になるときには、エアコン洗浄スプレーを使うことがあります。ただし、これも何でもスプレーすればいいという話ではありません。エアコンフィルターなど別の部分に原因があることもありますし、使用する製品によって施工方法も違います。

ここでも大切なのは、「どこから臭っているのか」を考えることです。普段はそれほど臭わないのにエアコンをつけると臭うのであれば、それだけでも原因を探すヒントになります。芳香剤を追加する前に、臭いがいつ発生するのかを確認するだけでも、対策する場所が変わってきます。

煙タイプの消臭剤は「掃除の代わり」ではなく仕上げに使う

カー用品店などで販売されている、煙やミストで車内を消臭するタイプの商品も私は使います。車内全体を処理できるので便利なのですが、私の場合は「これをやれば掃除をしなくても大丈夫」という使い方はしていません。

ゴミや汚れが残っていたり、シートそのものに臭いが染みついていたり、エアコンから臭いが出ていたりすれば、煙タイプの商品を使ったとしても原因そのものがなくなったわけではありません。一時的に臭いが気にならなくなっても、原因が残っていれば再び臭ってくる可能性があります。

そのため私は、まず車内を掃除して、臭いの原因になりそうなところを処理し、そのうえで煙タイプを使うという順番で考えています。消臭から始めるのではなく、まず清掃。その後の仕上げとして消臭するというイメージです。

強い臭いにはオゾン発生器を使うこともあります

それでも強い臭いが残っている場合、私の場合はオゾン発生器を使用することがあります。ここまで来ると、アルコールティッシュや市販の消臭剤とは少し話が変わります。

私はオゾン安全管理士の資格を取得しており、安全管理を前提としてオゾンを扱っています。オゾンは強い酸化力を持っているため、臭いへの対策などに利用されていますが、「臭いが取れるなら家庭でも簡単にやってみよう」と気軽に考えてほしい方法ではありません。

オゾンは濃度によって人体に影響を与えるため、人がいる状態で高濃度のオゾンを発生させるような使い方は危険です。また、処理後には適切な換気が必要です。使用する機器の能力や空間の広さ、処理時間などによっても条件が変わります。

だからこそ、この記事ではオゾン発生器の具体的な使用方法までは紹介しません。私自身が安全管理について学んでいるからこそ、「強力なものほど、使い方を間違えないことが大切」だと思っています。

一般の方が自分の車の臭いを何とかしたいのであれば、まずは掃除や原因の特定など、安全にできるところから始める。それでも取れない強い臭いについては、専門業者へ相談するという選択肢もあると思います。

私が目指しているのは「いい匂いの車」ではありません

20年以上、仕事で車を使ってきて、車内の臭いについて一つ考えるようになったことがあります。それは、「いい匂いの車」にする必要はないということです。

香りには好みがあります。自分には心地よい香りでも、別の人には苦手な香りかもしれません。特に私たちのように毎日さまざまなお客様を乗せる仕事では、強い芳香剤の香りそのものが負担になる可能性も考えなければなりません。

だから私が目指しているのは、「いい匂いがする車」ではなく、「何も臭わない車」です。

そのためには、別の香りで臭いを隠すのではなく、まずゴミを取り、手垢や皮脂を落とし、シートや窓をきれいにする。エアコンから臭うならエアコン側を確認する。それでも残った臭いに対して、必要に応じた消臭方法を使う。この順番が大切だと感じています。

結局のところ、私が20年以上車を使ってきてたどり着いたのは、ものすごく地味な答えでした。

臭いを消す前に、臭いの原因をなくす。

これが一番です。

20年以上この仕事をしていると、介護以外にも妙に詳しくなります

介護タクシーを20年以上続けていると、介護や移動のことだけではなく、なぜかいろいろなことに詳しくなっていきます。車の掃除、臭い、窓の汚れ、故障、便利な道具など、毎日仕事で車を使うからこそ、「これは使えた」というものもあれば、「これは失敗した」というものもたくさんあります。

今回紹介したシリコンオフもその一つです。シートの臭いや内窓の清掃では効果を感じていますが、内装が白くなったこともあります。こういう話は、商品の説明書だけを読んでいてもなかなか分かりません。

このサイトでは、介護タクシーや医療・福祉についての専門的な情報だけではなく、私たちが実際の仕事を通じて身につけてきた「普通の生活でもちょっと役に立つ知識」も紹介していきたいと思っています。

ネットで調べれば、きれいにまとめられた情報はいくらでも出てきます。それよりも、「実際に仕事で何年も使ってみてどうだったのか」「失敗も含めて、結局何が残ったのか」。そんな現場の話をお伝えするほうが、少しは面白いのではないかと思っています。

介護タクシーを利用する予定がまったくない方でも、「これ、ちょっと役に立った」と思っていただけたらうれしいです。

そして、もし皆さんにも「車の臭いにはこれが効いた」「これはやったらダメだった」という経験があれば、ぜひ教えてください。私もまだまだ試してみたいと思います。

ただし、シリコンオフを試して内装が白くなっても、私のせいにはしないでください(笑)。

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この記事を書いた人

2004年に介護タクシーを開業し、20年以上にわたり介護・医療搬送に携わる。延べ10万件以上の搬送実績をもとに、介護タクシーの知識や運営ノウハウ、移動に関する課題解決を発信。現場で培った経験と道路運送法・介護制度の知識をもとに、利用者・医療介護従事者・事業者に役立つ情報を届けています。

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